昨日は「映画の日」でした。
久しぶりにイオンシネマに行って来ました。
監督、脚本により映画化。
人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)は、突然のバス事故により、長年連れ添った妻(深津
絵里)を失うが、妻の間にはすでに愛情と呼べるようなものは存在せず、妻を亡くして悲しみにくれ
る夫を演じることしかできなかった。
そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会う。
幸夫と同じように妻を亡くしたトラック運転手の大宮(竹原ピストル)は、幼い2人の子どもを遺して
旅立った妻の死に憔悴していた。
その様子を目にした幸夫は、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る。
なぜそのようなことを口にしたのか、その理由は幸夫自身にもよく分かっていなかったが…。
(映画.comHPより抜粋)
まず、この映画は好き嫌いが分かれると思います。
観る人が選ぶ映画ではなく、映画側が観る人を選ぶのではないか?…と思いました。
結婚生活20年近い、子供がいない夫婦。
夫は作家で弁がたち、テレビ番組にも出演している。
妻は美容師で美容室を経営している。
自宅の居間で夫の髪を切る妻、居間のテレビには、夫が出演しているクイズ番組が映っている。
夫は自分の名前が、鉄人と呼ばれた野球選手、広島カープの衣笠祥夫と同じ「きぬがさ さちお」
なのが嫌いだ。
子供の頃から散々からかわれてきたから…。
妻に自分のことを、人前で「さちおくん」と呼ぶなと言う。
作家になる前から知り合っているのだから、「さちおくん」と呼んで何が悪いのか?…と冷ややか
に答える妻。
それを何だかんだと難癖を付けて、一方的に言い返す夫。
この冒頭のやり取りが、我が夫の屁理屈タレと全く同じでイライラしました。
このシーン、100%妻に同情しましたよ(p_-)
この後、妻はスキー旅行に出発し、夫は愛人を家に引き入れる。
そしてその夜、妻は事故で亡くなってしまう。
夫は亡くなった妻への罪悪感にさいなまされるが、謝るべき妻は死んでしまった。
そんな時に知り合った、妻の親友の遺族、大宮一家。
長距離トラック運転で家を空ける大宮の為に、幸夫は二人の子供の世話を申し出る。
それは妻に対する贖罪と罪悪感から申し出たことだが、実は自分を再生させることになるので
した。
なぜ「長い言い訳」でなく、「永い言い訳」なのか?
それは言い訳を言う相手が亡くなり、聞いてはもらえぬ言い訳が、自分の心の中に、永久に残る
からではないか?
映画中盤で幸夫は妻の遺品のスマホに、自分宛の未送信メールを発見します。
「もう愛してない。ひとかけらも」
カッとなって、スマホを床に叩きつける幸夫。
一体どんな気持ちで、妻はこのメールを書いたのか?
そしていつ書いたのか?
既婚子供無しの私には、他人事に思えない箇所がいくつも有りました。
妻は愛人の存在には気付いてました。
こんな自意識過剰なナルシスト夫、別れれば良いのに…と思うでしょうが、愛情と言うより、きっと
夫を見捨てられなかったのだと思います。
もし、この夫婦に子供が居たら、意外と別れていたかも知れません。
あれこれ考えさせられた映画でした。