昨日、気になっていた映画「ひとよ」を観て来ました。
女優で劇作家、演出家の桑原裕子が主宰する「劇団KAKUTA」が2011年に初演した舞台を佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、田中裕子の出演、「孤狼の血」の白石和彌監督のメガホンで映画化。
タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、夫を殺害した。
最愛の3人の子供達の幸せのためと信じての犯行だった。
こはるは子どもたちに15年後の再会を誓い、家を去った。
運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子、残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。
そして15年の月日が流れ、3人のもとに母こはるが帰ってきた。
次男役を佐藤、長男役を鈴木、長女役を松岡、母親役を田中がそれぞれ演じるほか、佐々木蔵之介、音尾琢真、筒井真理子らが脇を固める。
（映画．ｃｏｍＨＰより）
気に入らないと、妻や子供達を殴る蹴る夫。
姑と舅が生きてるうちは…と、我慢して我慢して耐える妻。
そして、ついに「時が来た！」と、子供達を守る為に妻は夫を殺害する。
これね、分かるわ。
酔って暴れるとか、暴力癖のある人は治りません。
病気ですから。
父親からの暴力が無くなり、子供達は好きなように生きていける…と思った母だが、残された子供達は「殺人者の子供」と言う烙印を押され、嫌がらせに耐える日々を送る。
そして１５年後に母が戻ると…。
母は母なりに、子供は子供なりに、思うことはたくさん有る。
皮肉を言う次男の雄二に、末っ子の園子は「お母さんはアイツから、私達を助けてくれたんだよ！」と言い放つ。
長男の大樹と園子は、母親を受け入れるが、雄二は「あんたのせいで…」と、こはると距離を置いて接する。
１５年の年月が、ぎこちない状況を生み出す。
暗くなりそうな内容だけど、ラストは明るいです。
こはる役の田中裕子、吃音のため内向的な性格の大樹役の鈴木亮平、見事な演技でした。
タイトルの「ひとよ」は、「一夜」「人よ」とも取れます。
ラストでこはる（母）が本当に「誇らしく」思えました。
家族関係で悩んでいたり、しがらみが有る人に、特にお勧めしたい映画です。
