週末から夫の在宅勤務が増えるので、今のうちにとミニシアターへ行って来ま
した。
観たのは「コーダ あいのうた」です。
(C)2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
家族の中でただ1人の健聴者である少女の勇気が、家族やさまざまな問題を
力に変えていく姿を描いたヒューマンドラマ。
2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク。
海の町でやさしい両親と兄と暮らす高校生のルビー。
彼女は家族の中で1人だけ耳が聞こえる。
幼い頃から家族の耳となったルビーは、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っ
ていた。
新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、
名門バークリー音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえな
い両親は娘の才能を信じられずにいた。
家業の方が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助
けを続けることを決意するが…。
テレビシリーズ「ロック&キー」などで注目の集まるエミリア・ジョーン
ズがルビー役を演じ、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マ
トリンら、実際に聴覚障害を持つ俳優たちがルビーの家族を演じる。
監督は「タルーラ 彼女たちの事情」のシアン・ヘダー。
タイトルの「CODA(コーダ)」は、「Children of Deaf Adults= “耳
の聴こえない両親に育てられた子ども”」のこと。
2022年・第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)
、脚色賞の3部門にノミネート。
ルビーの父親フランク役を務めたトロイ・コッツァーは、男性のろう者の
俳優で初めてオスカー候補になった。(映画.comHPより)
私は、元のフランス映画「エール」を見逃しています。
なるほど、「エール」をリメイクしたのね。
アメリカでは、ろう者の親を持つ健聴の子供たちを「CODA」(コーダ)と
呼ぶそうです。
家族の中に一人、聴覚障がい者がいるという設定の映画やドラマは有ります
が、聴覚障がい者の家族の中に一人、健聴者がいるという設定はあまり観た
記憶が無いわ。
ルビーは小さい頃から家族の耳や口となり、言葉を手話通訳していました。
家族はルビーに頼り、ルビーは家族の為に自分の夢も諦めようとします。
そんな時、高校の父兄会で合唱部が歌います。
ルビーはマイルズとデュエットします。
ルビーの歌声は観客を感動させますが、ルビーの家族には聞こえません。
家族は回りの人の反応を見て、素晴らしい歌声なのだと理解します。
そのシーンでは、ルビーとマイルズがデュエットしてる映像が映し出され
ますが、無音になります。
ヘダー監督は、聞こえないという「感覚」を観ている私たちに疑似体験さ
せてくれました。
見事な演出でした。
(C)2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
↑ 家を出るルビーの手話。
確かこれ一つでアメリカでは、”I LOVE YOU” を示してたと記憶してます。
単語一つずつで表すと、小指でI、親指と人差し指でL、親指と小指でYを表して
ます。
一度に表すときはこんな風に指を曲げます。
そうそう!竹下元首相の孫、DAIGOのウィッシュポーズだわね。
中指と薬指は下に曲げるんだけど、ここでは中指が人差し指にクロスしてるわね。
手話も少しずつ今時の表現に変化してるのかしら?
2021年のサンダンス映画祭で、観客賞、審査員賞、監督賞、アンサンブルキャ
スト賞の4冠を取ったこの映画、ハズレは無いです。
音楽も挿入歌も良かったし、心温まる映画でした。