山本周五郎賞を受賞した帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)のベストセラー小説
「閉鎖病棟」を、「愛を乞うひと」の平山秀幸監督・脚本で映画化。
長野県のとある精神科病院にいる、それぞれの過去を背負った患者たち。
母親や妻を殺害した罪で死刑判決を受けたものの、死刑執行に失敗し、生きな
がらえた梶木秀丸(かじき ひでまる)。
幻聴が聴こえて暴れるようになり、妹夫婦から疎まれて強制入院させられた、
元サラリーマンのチュウさん。
義理の父親からのDVが原因で入院することになった女子高生の由紀。
彼らは家族や世間から遠ざけられながらも、明るく生きようとしていた。
そんなある日、秀丸が院内で殺人事件を起こしてしまう。
笑福亭鶴瓶が秀丸役で「ディア・ドクター」以来10年ぶりに主演を務め、
秀丸と心を通わせるチュウさんを「そこのみにて光輝く」の綾野剛、女子
高生・由紀を「渇き。」の小松菜奈がそれぞれ演じる。
(映画.comHPより)
私は帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)の「逃亡」と言う小説を読んで、面白
かったので、「閉鎖病棟」も買って手元に有ります。
…が「積読く(つんどく)」状態でまだ読んでいません(-_-;)
買ったのはもう15年ぐらい前か?
舞台となっている精神病院には、精神を病んだ人ばかりでなく、知的障害
の人や薬物中毒患者もいます。
傍から見ると、正常な状態に見える患者もいます。
…が、脳の仕組みは複雑でね。
映画を観ながら、ふと私の実家が在る田舎町の精神病院を思い出しました。
風呂場の湯つぼ(お湯が入っていない空っぽの湯壺)に釣竿を持ち込み、釣り
糸を垂らしている患者に、医師が「釣れますか?」と話しかけると「風呂場で
釣れるわけがないだろう」と言われ、医師が絶句したとか。
釣れるわけがないと言いながらも、釣り糸を垂らしているのだから、やっぱり
患者がオカシイですよね。
映画の中の患者たち、ストレスを感じると、自分の頭を叩き続けたり、髪を引
き抜いたりします。
自分なりに落ち付こうとして行う行動なのかな?
いえいえ、入院患者だけがオカシイのでは有りません。
入院した由紀を無理やり退院させた、義理の父親と実の母親。
夫が娘に性的虐待されているのを知りながら、娘が夫を誘惑したのだと思い、
娘に家を出て行くようになじる。
この母親もオカシイ!
娘を守らないだけでなく、娘の存在を排除しようとするなんて(>_<)
何をもって正常なのか?異常なのか?
この映画は観ている者に問いかけます。
秀丸が犯した最初の殺人と病院で犯した殺人…この二つの殺人事件には、悲し
い理由が有ります。
この理由を知った時、あなたは秀丸が極悪人だと思いますか?
秀丸は異常だと思えますか?
是非、この映画を観て、考えて欲しいと思います。