Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

「月」

昨日、今年最後の映画鑑賞に行きました。

↓観たのは「月」です。

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(C)2023「月」製作委員会

舟を編む」の石井裕也監督が宮沢りえを主演に迎え、実際に起きた障がい者

殺傷事件をモチーフにした辺見庸の同名小説を映画化。

夫と2人で慎ましく暮らす元有名作家の堂島洋子は、森の奥深くにある重度障

がい者施設で働きはじめる。

そこで彼女は、作家志望の陽子や絵の好きな青年さとくんといった同僚たち、

そして光の届かない部屋でベッドに横たわったまま動かない、きーちゃんと

呼ばれる入所者と出会う。

洋子は自分と生年月日が一緒のきーちゃんのことを、どこか他人だと思えず

親身に接するようになるが、その一方で他の職員による入所者へのひどい扱

いや暴力を目の当たりにする。

そんな理不尽な状況に憤るさとくんは、正義感や使命感を徐々に増幅させて

いき…。

洋子の夫・昌平をオダギリジョー、同僚のさとくんを磯村勇斗、陽子を二階

堂ふみが演じる。(映画.comHPより)

 

作家の辺見庸が、7年前におきた重度障がい者施設、やまゆり学園での大量殺傷

事件を題材に書いた小説の映画化です。

観ていて辛くなる描写が多いです。

ところで、職員が入居者に虐待している事件はニュースで見ますが、入居者が職

員を暴行したというニュースは見ません。

この映画の中では、腕を入居者に嚙みつかれたと包帯を巻いている腕が映るシー

ンが有った。

老健で働いている職員さんは、杖で殴られたり、蹴られたりすることも有るそう

だし…。

 

私もここ数カ月、舅(夫の父)を看てて思うが、介護は糞尿まみれになる。

舅の場合は常時リハビリパンツを着用し、訪問看護も有るからマシになったが、

それでもリハビリパンツを脱いで寝てしまうことが有り、防水シーツにしたり、

予防策を取るが、トイレに行く途中で漏らしたりで、たった一人の介護でも大

変だ。

ましてや、暴力性がある患者を世話するのは、気持ちが折れて行くのも分かる。

仕事に熱心な「さとくん」は、同僚から「余計なことをするな。自分らの仕事

が増えるだけだ」と言われ、疎まれます。

或る日、さとくんは「入らないこと」と言われている入居者の部屋で、汚物に

まみれた男性患者が自慰をしているのを目撃し、心が折れます。

洋子や陽子に向かって「生産性のない人間は生きる価値が無い」と言い放ちま

す。

話せず意思疎通ができない人間は、生きる意味が無いのか?

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(C)2023「月」製作委員会

↑ 実際の障がい者の人たちが入居者役で何人か出演しています。

 

磯村優斗はこの映画の企画書を読んだときに、CMが全て無くなっても良いから、

さとくんを演じたいと思ったそうです。

そういう覚悟のもと、さと君を見事に演じました。

宮沢りえオダギリジョー二階堂ふみ、それぞれが熱演してます。

観客は、演者の誰かに自分を投影すると思います。

目を背けてはいけない映画だと思いました。