どうしても観たい映画が有り、近所のシネコンへ行って来ました。
1本目に観たのは「川っぺりムコリッタ」です。
(C)2021「川っぺりムコリッタ」製作委員会
「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子監督が2019年
に発表したオリジナル長編小説を、自身の脚本・監督で映画化。
松山ケンイチ主演、ムロツヨシの共演で、孤独な青年がアパートの住人
との交流を通して社会との接点を見つけていく姿を描く。
北陸の小さな町にある小さな塩辛工場で働き口を見つけた山田は、社長
から紹介された古い安アパート「ハイツ ムコリッタ」で暮らし始める。
できるだけ人と関わることなく、ひっそりと生きたいと思っていた山田
の静かな日常が、隣の部屋に住む島田が「風呂を貸してほしい」と山田
を訪ねてきたことから一変する。
山田と島田は、少しずつ友情のようなものが芽生え始め、楽しい日々を
送っていた。
しかし、山田がこの町にやってきた秘密が、島田に知られてしまい…。
主人公・山田を松山、島田をムロがそれぞれ演じる。
タイトルの「ムコリッタ(牟呼栗多)」は、仏教の時間の単位のひとつ
(1/30日=48分)を表す仏教用語で、ささやかな幸せなどを意味する。
(映画.comHPより)
過去を知られたくない人と、人と関わりたくない人が、ひょんなことから
友情を育んでいきます。
ハイツ ムコリッタに住んでいる人は皆、何かしら心に傷を負っています。
それでも「ささやかな幸せ」を見つけながら生きてます。
主人公の山田は、生き別れた父親が亡くなっていたと役所から連絡を受け
る。
4~5歳の頃に親が離婚して、それから一度も会っていない父親。
遺骨を引き取る気は無かったが、隣に住む島田に意見され、遺骨を引き取り
に出向く。
身寄りが無かったり、引き取り拒否された遺骨は1年経過後、共同墓に安置
されるそうだ。
山田は、役所の一室に置いて有る沢山の遺骨を目にして驚く。
それらは親族から受け取り拒否されたり、身元不明の遺骨だ。
「名前が分かっているだけ良いです」と職員の堤下は言う。
この映画は一人の人間の生き方、価値観を変えて行く映画でした。
自分のような者が「ささやかな幸せ」を求めて生きていて良いのか…と悩む
山田。
そんな山田に「良いよ!」と言う家主の南。
上手く説明できないけど、なかなか奥が深い映画でした。
工場長を演じた緒方直人も上手かった。
地味な内容ですが、観終わって余韻が残る良い映画でした。