二本目は「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」を観ました。
19世紀末のパリを舞台に、ベル・エポック時代を象徴する戯曲「シラノ・ド・
ベルジュラック」の誕生秘話を描いた伝記ドラマ。
1897年、パリ。詩人で劇作家のエドモン・ロスタンは、もう2年近くもスラン
プ状態に陥っていた。
そんな彼のもとに、大物俳優コンスタン・コクランの主演舞台を手がけるチャ
ンスが舞い込む。
しかし決まっているのは「シラノ・ド・ベルジュラック」というタイトルだけ
で、執筆は一向に進まない。
そんな中、親友レオが愛する女性ジャンヌと、レオになり替わって文通するこ
とに。
彼女との詩美あふれる手紙のやり取りに刺激され、自身の脚本執筆もついに進
み出す。
やがて、借金だらけの俳優や、気まぐれな女優ら崖っぷちの舞台人たちが劇場
ポルト・サン=マルタン座に集い、それぞれの人生を懸けた舞台の稽古が始ま
るが…。(映画.comHPより)
私は「シラノ・ド・ベルジュラック」は、舞台をモチーフにした「愛しのロク
サーヌ」という映画で内容は知ってましたが(未見)、こんなドタバタで出来
上がった戯曲とは知りませんでした。
しかも、出たとこ勝負で書かれた内容とは…。
この映画(舞台)の根底に有るのは「手紙」です。
電話が無かった時代、気持ちを伝えられるのは手紙だけでした。
親友が熱を上げているお針子は、文才が有ってロマンチスト。
何とか付き合いたいと思っている親友のために、手紙を代筆したエドモンだっ
たが、彼女と文通しているうちに疑似恋愛状態に陥いる。
しかし、そのお陰でいろいろなアイデアが湧いて来る。
一本目に観た「ばるぼら」じゃないけれど、ジャンヌはエドモンにとって、
アイデアを与えてくれる「ミューズ」なのね。
最初の舞台上映から100年を越えて今も、フランス人に愛される「シラノ・
ド・ベルジュラック」が出来上がるまでの舞台裏が観られて面白かったです。
エンドタイトルでは、初演の頃から現代までの舞台や映画で演じた俳優の名前
と写真が出ます。
私が知っている俳優は、1990年にシラノを演じたジェラール・ドパルデュ
ーだけでした。
フランス映画らしい映画だと感じました。
それにしてもフランス人は、いつでも詩心が無いとダメなんですね。
洒落た言葉の一つも言えないと、相手にして貰えないのですね。