第86回アカデミー作品賞受賞作。
南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、
「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した人間ドラマ。
自由証明書で認められた自由黒人で、白人の友人も多くいた黒人バイオリニストのソロモンは、
愛する家族とともに幸せな生活を送っていたが、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷とし
てニューオーリンズの地へ売られてしまう。
狂信的な選民主義者のエップスら、白人たちの容赦ない差別と暴力に苦しめられながらも、ソロ
モンは決して尊厳を失うことはなかった。
やがて12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱える、カナダ人労働者バスと
出会う。
アカデミー賞では作品、監督ほか計9部門にノミネート。
作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞した。(映画.comHPより抜粋)
この映画は観たかったんですよ。
遅ればせながら、やっと観ることが出来ました。
ソロモンは「サーカス興行で音楽と融合させる見世物を考えている。バイオリン弾きを探してい
る。日当をはずむから…」と白人に騙されて、食事に連れ出されて一服盛られ誘拐される。
奴隷として船に乗せられて、売られて行く。
ソロモンは「自由黒人」の身分を持っており、文字の読み書きもでき教養も有り、幸せに暮らし
ていたのだが、口車に乗せられてしまったのだ。
「黒人は家畜と同じ」だと思う、白人雇用主にソロモンは理不尽な暴力を受ける。
雇っている白人達よりも、奴隷の人数が圧倒的に多いのに、暴動を起こすこともせずに、働か
されている。
戦うことを諦めているかのように、無気力になっているのだ。
ふと、現代の「DV被害者」を思い出しました。
暴力に支配され、恐怖のあまり、戦うことも逃げることも出来なくなる…。
まるでDV被害者と同じだわね。
だけど、主人公のソロモンは、決して諦めずに逃げ出す機会を伺い続けるのです。
ソロモンの場合は、たまたまカナダ人労働者のバスと出会えたことで、助けを呼ぶことが出来
た。
そうでなければ、逃げ出すこともできず、死ぬまで奴隷として労働させられたことだろう。
この映画が実話だと言うことが恐ろしい。
12年もの間、生死不明のままだったソロモン。
自宅に帰ったら、小さかった娘は結婚して子供が生まれていた。
「お父さんの孫よ」と、娘が紹介するシーンで、ソロモンの驚きと喜びが入り混じった戸惑い
が表情に出ました。
12年って長い年月ですよね(>_<)
今日は丸山代議士が、オバマ大統領のことを「奴隷」がどうのこうの言った発言が取りざた
されていましたが、物の言い方は気を付けないとね。
誤解を受けたり、上げ足を取られますよ。
…と言うよりも、心の中ではそう思っていたから、つい口から出てしまったのか?
映画を観た後だけに、うがった見方をする私でした。