Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

引越して行く者

今日は晴れのハズだったのだが、思いっきり曇天です。
そんな天気の中、先ほど引越しトラックが出て行きました。
1年半前に入社して、去年の夏にこの社宅に引っ越してきたFさんが退職したのだ。
Fさんは転職して、奥様とお子さん2人を置いて単身赴任していた。
家は関東地方にある。
Fさんはちゃんとした職業に就いていたから、夫の職場では「勿体ないな、何でまた転職を?」と
言われたものだった。
奥様も正社員で働かれていたから、収入が減っても子供達と自分の生活は何とか賄える状況
だったようです。
 
私は夫に「もし貴方がそういう事を言いだしたら、悪いけど私は止めるわね。憧れた仕事に就き
たいから仕事を辞めるってのは、家族に対しての責任を放棄してるよ。生活が出来るから賛成
できたんだろうね」って言ったものだ。
Fさんは研修が終わって、初めての赴任先がこの地だった。
希望部署に配属されなかったが、それでもFさんは真面目に仕事をしてたそうだ。
そして毎月休みをヤリクリして、自宅に帰っていた。
 
しかし間も無くお子さんの一人が登校拒否になったそうで、奥さんは心細くなったのだろう。
Fさんは職場の人に相談したのだが、選りに選って相談したのがAさんなのだ。
そう、出来ない仕事や面倒くさい仕事を夫に押し付けるあのAさんだ。
Aさんは「そりゃぁ仕事辞めて帰るしか無いわな」と軽々しく言ったのだ。
夫は後からFさんから聞いて、「休職するなり、非常勤務にしてもらったり、家の近くに転勤させ
てもらうことも出来たのに…。何でAさんに相談したのかな?」と怒っていた。
夫も交通事故であの世へ行く一歩手前で生還した男で、休職した経験があるので、その辺り
はアドバイス出来たのだが…。
多分Fさんは年配の人の方が、色々と知っているんじゃないかと思ったのだろう。
それにしても、課長や次長がいるのだから、誰か慰留しなかったのだろうか?
普通部下が辞めるって言うと、余程のことが無い限り慰留しないか?
結局Fさんは、年末には退職することを決めた。
 
先月は奥さんが倒れて緊急入院したそうで、奥さんも限界だったのだろう。
そして今日、引越しトラックが来て荷物を積み込んで出ました。
Fさんが「お世話になりました」と挨拶に来られたので、私は今治のお菓子やバリィさんグッズ、
そして焼き豚玉子飯のタレを餞別代わりにFさんに渡しました。
私がFさんに何か今治の物を差し上げようかしら?と夫に言ったら、珍しく夫がお金を出したの
だ。
Fさんには「Fさんに何か渡してくれと夫からお金を預かったので、こんな物ですが…」と言いま
た。
夫はそういう所は全く気が利かないからね~。
最後ぐらい、少しはトンチキ夫の株を上げておかないとね。
私は「こんなことになって残念でしたね。でも人生に無駄な事は無いと言いますから…。健康
あれば何とか乗り切れますよ。お元気でね。」とFさんを見送りました。
やっぱりね~最初から転勤や単身赴任生活をしてたわけじゃ無いから、急に全ての責任が
掛かって来て、精神的に奥さん耐えられなかったのかな?
 
私のような貧乏育ちはつい生活費のことが気になって、最悪のパターンが頭をよぎる。
夫が帰ってきても子供は登校拒否が続き、夫は無職で妻は入院…という最悪なパターン。
まあそういうことが無いように、毎月帰って話し合ったのだろうから…。
只ね~「お前の為に俺は、夢を諦めて帰って来たんだぞ」と子供に言うことはしないで欲しい。
家族に対しての責任が有るのですから、己の夢どころじゃありませんよ。
生活が安定していればこそ、夢が追えるのです。
 
私ならどうしたかな?
せっかく夢を叶えて転職したのだから、「私が何とかするから、貴方は仕事を続けて下さい」
って夫に言うかな?
子供には「お父さんは一生懸命仕事してる。お母さんも仕事してる。貴方の仕事は学校へ
行って学ぶことでしょう?行きたくないなら行かなくていい。その代わり家事を手伝いなさい」
…ときっと言うな。
そう「働かざる者は喰うべからず」と言いますからね。
…などと、他人事なのだが今回のFさんの退職であれこれ考えた私なのだ。