アカデミー賞効果で「コーダ あいのうた」が上映延長されてます。
「コーダ」は、ろう者の両親から生まれた健聴者の子供を意味する言葉です。
私が高校生の頃だったか?
何かのドキュメンタリー番組に、手話通訳士の丸山浩路(まるやまこうじ)さん
が出演してました。
丸山さんは日本で初のプロ手話通訳士で、NHK教育「手話ニュース」のアナウン
スを長らく担当されてました。
そのドキュメンタリー番組では、丸山さんが聞いた、或る男子生徒の話を紹介し
てました。
(小学校か中学校の)担任教師(男性)が、クラスの中で自分だけ名字ではなく、
名前を呼び捨てにされると言っていた話。
その生徒は、なぜ自分だけ名前で呼ばれるのか不思議に思っていました。
「名字で呼んで下さい」と言っても、いつも名前で呼ばれてました。
或る日、担任教師が話したのは…。
「〇〇、きみの両親は話すことができない。〇〇は一度も親から自分の名前を呼
ばれれたことが無いから、親御さんの代わりに私が呼んでいたんだ。」
それを聞いた生徒は、涙があふれ出て「先生、ありがとう!」と言うのが精一杯
だったとか。
ふと、この話を思い出しました。
↑ 丸山さんは2010年に病気で亡くなられました。
69歳でした。
手話は同じ内容を伝えるのも、顔の表情や動作の大きさが人それぞれなんです。
丸山さんの手話は、とても表情が豊かで私は好きでした。
「コーダ あいのうた」が脚光を浴びることにより、手話への関心が高くなるの
を嬉しく思います。
丸山さんが生きていれば、きっと喜ばれたことでしょう。