昨日、朝8時半に家を出て観て来ました。
朝1番の上映回で観ないと、上映時間が長く、夫の帰宅時間までに家に戻られないからです。
映画化したヒューマンドラマ。
人間にとって大切なものか、人間の弱さとは何かを描き出した。
17世紀、キリスト教が禁じられた日本で棄教したとされる師の真相を確かめるため、日本を目指
す若き宣教師のロドリゴとガルペ。
二人旅の途上のマカオで出会ったキチジローという日本人を案内役に、やがて長崎へとたどり着
き、厳しい弾圧を受けながら自らの信仰心と向き合っていく。
スコセッシが1988年に原作を読んで以来、28年をかけて映画化にこぎつけた念願の企画で、主
ドライバーらが共演。
ヨシといった、日本人キャストが出演する。(映画.comHPより)
私は先日、篠田正浩監督作の「沈黙」を観ました。
篠田版とスコセッシ版の違いは、上映時間が長い分、スコセッシ監督の方が原作に忠実に描かれ
ていたと思います。
篠田版は、キチジローが宣教師二人を小舟に乗せて島に近付いて来るところから始まります。
スコセッシ版は、宣教師二人が司祭のフェレイラの行方を捜しに日本に行きたいと、マカオの司祭
に相談するシーンから始まります。
篠田版はキチジローが、悪どい裏切り者のように描かれていますが、スコセッシ版は、キチジロー
キチジローは奉行に言われるままに、躊躇なく踏絵を踏み、キリストや聖母マリアの姿が描かれた
銅板に、唾を吐きかける。
だが、自分は切支丹だとロドリゴに許しを請う。
篠田版では、ロドリゴが棄教した所で終わりますが、スコセッシ版は、棄教した後の生涯も描いて
ます。
ロドリゴは、ただ生かされているかのように、諦めの人生を送っていますが、亡くなった時に妻が
秘かにモキチの形見である十字架を、遺体に偲ばせてやります。
キチジロー役の窪塚洋介が熱演してます。
己の弱さと信仰心の間に苦悩する姿を、見事に演じ切りました。
ロドリゴを棄教させるために、様々な手段で懐柔する姿は恐ろしいです。
モキチが十字架に縛られて岩場に放置され、満潮になると波を被り、賛美歌を歌いながら、死ぬ
までに4日かかったシーンでは、むごさに涙しました。
いっそのこと、ひと思いに殺された方がどれほど楽か…。
機会が有れば、篠田正浩監督作品も鑑賞されるようお勧めします。