Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

「海にかかる霧」

今日はシネコンに、韓国映画「海にかかる霧」を観に行って来ました。


殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」のポン・ジュノが製作を務め、「殺人の追憶」の脚本を
担当したシム・ソンボが監督デビューを果たしたサスペンス。
2001年に韓国で実際に起こった「テチャン号事件」を題材にした、舞台劇「海霧(ヘム)」を映
化した。
不況にあえぐ、漁村の漁船チョンジン号の船長チョルジュは、中国人の密航者を乗船させると
いう違法な仕事に手を出してしまう。
沖合で密航船と合流し、密航者たちを乗り換えさせて陸まで運ぶという簡単な仕事のはずだっ
が、海上察の捜査や悪天候に阻まれ、思いもよらない事態へと発展していく。
人気グループ「JYJ」のユチョンが映画本格初出演し、「チェイサー」「哀しき獣」の実力派キム・
ンソクと共演。(映画.comHPより抜粋)

この映画、観終わってとても疲れました(-_-;)
聞いてはいたけど、これほどまでに凄惨な「生」と「死」が描かれているとは…。
実際の「テチャン号事件」では、60人の密航者のうち、25名が魚倉庫の中で亡くなりました。
ええ、窒息死です。
かろうじて、小さな通気口が有った水槽に隠された35人は生き延びました。
後5分、扉を開けるのが遅かったら、こちらも全員亡くなっていただろうと生存者が話したそう
です。
そして亡くなった25人の死体を、密航者にも手伝わせて海中に遺棄したのでした。

このテチャン号事件をベースに、映画は作られました。
映画では海洋警察から隠すために、皆が魚倉庫に入れられました。
一人だけ若い女性ホンメだけは、新米漁師のドンシクに機関室で暖を取らせてもらっていて、
命拾いしたのでした。

この若い二人の危機的状況化における恋愛と、密航者を事故で殺してしまった船長や船員
たちの狂気が相まって凄まじいです。

去年起きたセウォル号の沈没事件では、船長が船から逃げ出しましたが、この映画の船長は
浸水し沈没していく船と運命を共にしました。
船長は船員と船を守るために金が欲しくて、違法な密航者の運送に手を出したのでした。

密航者たちも、新天地で新しい人生をやり直すために、船に乗ったのに…。
映画を観終わって、如何に自分が幸せな環境にいるかと思った私である。