Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

「あのこと」

今日は、新年第一回目の映画鑑賞に出掛けました。

まず1本目に「あのこと」を観ました。

ポスター画像

(C)2021 RECTANGLE PRODUCTIONS - FRANCE 3 CINEMA - WILD BUNCH - SRAB FILM

2022年度のノーベル文学賞を受賞した作家アニー・エルノーが、若き日の

実体験をもとに綴った短編小説「事件」を映画化。

ナチス第三の男」などの脚本を手がけたオドレイ・ディワンが監督を務め、

2021年・第78回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。

法律で中絶が禁止されていた1960年代フランスを舞台に、望まぬ妊娠をし

大学生の12週間にわたる戦いを、主人公アンヌの目線から臨場感たっぷ

りに描く。


労働者階級に生まれたアンヌは、貧しいながらも持ち前の知性と努力で大学

に進学。

未来を掴むための学位にも手が届こうとしていたが、大切な試験を前に自分

が妊娠していることに気づく。

中絶が違法とされる中、解決策を見いだすべく奔走するアンヌだったが…。

ヴィオレッタ」のアナマリア・バルトロメイが主演を務め、「仕立て屋の

恋」のサンドリーヌ・ボネール、「燃ゆる女の肖像」のルアナ・バイラミが

共演。(映画.comHPより)

1960年代フランスでは、人工中絶は本人も、手を貸した者も罪を問われ、

刑務所行きでした。

主人公のアンヌは一度のセックスで妊娠し、誰にも相談できず、一人で何とか

しようと解決策を探します。

私は未見なのですが1989年フランス映画「主婦マリーがしたこと」を思い

出しました。

第二次世界大戦中、違法である堕胎を手伝った主婦マリーが、見せしめのため

に、フランス最後の女性のギロチン受刑者として生涯を終えた話。

男女における取捨選択、圧倒的に女が諦める場合が多い。

結婚、妊娠出産、転勤…男が職を辞することは少ない。

我が家もそうだが、夫は自分の生き方を変える必要が無い。

反対に妻は仕事を辞め、夫と子供のためにキャリアを諦めるのだ。

昔に比べると育休を取る夫も増えてきたが、それでも妻の負担の方が多い。

この映画のアンヌは人生の岐路に立たされる。

たとえば乱暴されて妊娠した場合や、夫が避妊に協力せずに妊娠した場合など、

望まぬ妊娠をしたとき、「授かったのだから産まないといけない」というのは

如何なものか?

法律を決めた政治家は「産めない場合」も有るのだと思わないのか?

私の母方の祖母は9人子供を産んだが、「ワシが嫌がるけぇ、またがりゃ出来

た」(私が嫌がるから、夫が自分にまたがると妊娠した)と言っていた。

明治生まれの爺様は妻の気持ちを考えることもなく、自分がヤリたいときにヤ

ルのよ。

今で言う配偶者によるレイプだわ。

 

映画の端々に痛々しい堕胎シーンが有ります。

女性は、我が身に起こった痛みのように感じることでしょう。

男性は恐怖を感じることでしょう。

分かりやすく言えば金〇を潰されるぐらいの痛み?

もの凄い痛みと大出血で死にかけたアンヌ。

映画のラストでは、アンヌが大学に向かう姿が映りました。

アンヌは死にかけても、自分の夢を諦めないのでした。

誰かれにお勧めできる映画では無いです。

「俺さま」と威張る男性には、特に観て欲しい映画でした。