昨日、ミニシアターへ行って来ました。
「梅切らぬバカ」を観ました。
(C)2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト
加賀まりこと塚地武雅が親子役で共演し、老いた母と自閉症の息子が
地域コミュニティとの交流を通して、自立の道を模索する姿を描いた
人間ドラマ。
山田珠子は古民家で占い業を営みながら、自閉症の息子・忠男と暮ら
している。
庭に生える梅の木は、忠男にとって亡き父の象徴だが、その枝は私道
にまで乗り出していた。
隣家に越してきた里村茂は、通行の妨げになる梅の木と、予測不能な
行動をとる忠男を疎ましく思っていたが、里村の妻子は珠子と密かに
交流を育んでいた。
珠子は自分がいなくなった後のことを考え、知的障害者が共同生活を
送るグループホームに息子を入れることに。
しかし、環境の変化に戸惑う忠男はホームを抜け出し、厄介な事件に
巻き込まれてしまう。
タイトルの「梅切らぬバカ」は、対象に適切な処置をしないことを戒
めることわざ「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」に由来し、人間の教育に
おいても、桜のように自由に枝を伸ばしてあげることが必要な場合と、
梅のように手をかけて育てることが必要な場合があることを意味して
いる。
加賀にとっては1967年の「濡れた逢びき」以来、54年ぶりの映画主
演作となった。(映画.comHPより)
我が子が介助が必要な障害を持っていた場合、自分が亡くなった後、
この子はどうやって生活していくのだろう?…と、親は思います。
珠子は忠男を「チューさん」と呼び、母子二人で生活している。
自閉症のチューさんは、規則正しい生活を送る。
起床時間、食事の時間、風呂の時間。
少しでも時間がズレると混乱する。
言いたいことが上手く話せなくて、うぅ~!と唸る。
そのために回りから誤解されてしまいます。
理解できない行動をしても、本人からすると理由が有るのです。
意思疎通が上手く出来ないのよね。
グループホームと地域社会との揉め事、問題の解決に投げやりな役所。
それぞれの立場ごとに言い分がある。
それぞれが正しいことを述べて、それぞれの正義がある。
どれもが正しいがゆえに、正解が見つからない。
話し合いを重ねて、お互いの理解を深めて行くしかないのかしら?
気が遠くなりそうなぐらい時間がかかりそう。
たとえ時間をかけたからと言っても、理解してもらえるとは限らない
のが現状だ。
チューさんを演じる塚地武雅、見事に息子役を演じました。
加賀まりこと本当の親子みたいです。
この二人の「演技には見えない演技」は必見です。
知的障がい者への誤解や偏見を解くためにも、いろんな人に観てもら
いたい映画でした。