今日はかなりシンドイ映画を観て来ました。
観たのは「異端の鳥」です。
ナチスのホロコーストから逃れるために田舎に疎開した少年が、差別に抗い
ながら強く生き抜く姿と、ごく普通の人々が異物である少年を徹底的に攻撃
する姿を描き、第76回ベネチア国際映画祭でユニセフ賞を受賞した作品。
ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した同名小説を原作
に、チェコ出身のバーツラフ・マルホウル監督が11年の歳月をかけて映像化
した。
東欧のどこか。
ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である1人暮らしの叔母が
病死して行き場を失い、たった1人で旅に出ることに。
行く先々で彼を異物とみなす人間たちから、ひどい仕打ちを受けながらも、
なんとか生き延びようと必死でもがき続けるが…。
新人俳優ペトル・コラールが主演を務め、ステラン・スカルスガルド、ハー
ベイ・カイテルらベテラン俳優陣が脇を固める。
2019年・第32回東京国際映画祭のワールド・フォーカス部門では「ペイン
テッド・バード」のタイトルで上映。(映画.comHPより)
最初、なぜこの少年が行く先々で皆にイジメられるのかが分かりませんで
した。
物語が進むうちに、この少年はユダヤ人で収容所に送られる前に東欧のど
こかの国に逃げていることが分かります。
全編モノクロ映像なので、髪の色や瞳の色などの区別が付かなくてね。
物語はチャプター(章節)ごとに、少年と関わる人間の名前がスクリーン
の左下に出ます。
この映画、ベネチア映画祭で上映されましたが、途中退席が相次いだほど、
残酷なシーンがてんこ盛りです。
イジメられる→悪魔の子と呼ばれ、首から下を埋められて、カラスに頭を
突かれて血だらけになる→自殺に遭遇→アバズレ女に虐待される→変態男
に性的虐待を受ける…などなど、生きていることが辛くなるほど過酷な体
験をします。
平和だったのは、ソ連兵が保護してくれていた時だけです。
途中退席が相次いだのも分かります。
少年がカラスに頭を突かれるシーンや、家主が使用人と妻の関係を勘繰っ
て、スプーンで目玉をくり抜くシーンなど、グロいシーンが次から次に
流れます。
モノクロ映像で良かった。
カラーで観たら、強烈にトラウマになること間違いない。
しかも上映時間が169分と長く、延々と残酷なシーンが続きます。
監督は戦場や兵士ではなく、地域住民の残酷性を描きたかったのかな?
ラストに少し希望が観えます。
…が、この映画は観るのがしんどかったです。