Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

「光」

昨日、夜勤明けの夫に食事を出して、シネコンへ行って来ました。
観たのは↓これです。



萌の朱雀」の河瀬直美監督が「あん」に続いて永瀬正敏とタッグを組み、「ユダ」の水崎綾女
ヒロインに迎えて描いたラブストーリー。
人生に迷いながら生きてきた女性が、視力を失いゆく天才カメラマンとの出会いを通して変化し
ていく様子を描く。
視覚障がい者のための「映画の音声ガイド」の制作に従事している美佐子は、弱視のカメラマン
・雅哉と出会う。
雅哉の無愛想な態度に反感を覚える美佐子だったが、彼が撮影した夕日の写真に感動し、いつ
かその場所に連れて行って欲しいと思うようになる。
そして、視力を失っていく雅哉の葛藤を間近で見つめるうちに、美佐子の中の何かが変わりはじ
める。
共演に「日本のいちばん長い日」の神野三鈴、「るろうに剣心」シリーズの小市慢太郎、「龍三と
七人の子分たち」の藤竜也。(映画.comHPより)

今、ほとんどのテレビドラマでは副音声が入ります。
テレビのリモコンで切り替えると、ドラマの状況説明が入りますね。
たとえば、「ジーナ、立ち止まる。振り返るとトンチキ夫の頬を叩く」とかね。
見えなくても状況を思い浮かべることができるように、説明する音声ガイドです。
主人公の美佐子は、映画の音声ガイドを制作するスタッフです。
まず最初に、音声ガイドの原稿を作り、映画に合せて読みます。
それを視覚障がい者の方々や制作スタッフがチェックして、意見や感想を聞きます。
上映できるまで何度も試写会会議は行われます。

聞こえないのも大変ですが、見えないのはもっと大変です。
一人で外出するのも命懸けです。
映画を観てて、もし自分が見えなくなったら…と思うと、ゾッとしました。
歩道に無造作に止めてある自転車や、点字ブロックの上に人が立っていたら、ぶつかるしか出来ません。
見えないのだから、避けることが出来ません。

美佐子が音声ガイドを作っていた映画は、自分の大事な物を亡くした老人を描いた作品でした。
出来上がった映画の一般試写会で、制作に関わった雅哉は音声ガイドを聞いて涙するのでした。
ラストに映画タイトルの「光」の意味が分かります。

ちょっと優等生すぎる映画(障がい者は皆が弱者)という気もしますが、永瀬正敏の熱演に免じて
気にしますまい。
私は河瀬監督の前作「あん」の方が好みでした。