昨日はシネコンで「あん」を観ました。
(C)2015映画「あん」製作委員会/COMME DES CINEMAS/TWENTY TWENTY VISION/ZDF-ARTE
林を主演に迎え、ドリアン助川の同名小説を映画化した。
或ることがキッカケで刑務所暮しを経験し、どら焼き屋の雇われ店長として日々を過ごしていた
千太郎。
ある日、店で働くことを懇願する老女、徳江が現れ、彼女が作る粒あんの美味しさが評判を呼ん
で店は繁盛していく。
しかし、徳江がかつて、ハンセン病を患っていたという噂が流れたことで、客足が遠のいてしまい、
千太郎は徳江を辞めさせなければならなくなる。
おとなしく店を去った徳江だったが、彼女のことが気にかかる千太郎は、徳江と心を通わせてい
た近所の女子中学生ワカナとともに、徳江の足跡をたどる。
(映画.comHPより抜粋)
映画化されたので、是非とも観たかった作品でした。
河瀬直美監督の作品は難解で、正直この作品もどのように仕上がっているか、気になってま
した。
…が、心配は杞憂(きゆう)に終わりました^^
若干は変えて有りますが、殆ど原作を忠実に映像化していました。
ただラストは、小説では描かれなかった「その後」で終わります。
ハンセン病は罹患すると、顔や手足の指が異形になります。
皮膚や末梢神経に病変が現れ、運動障害を伴うことが有るそうです。
見た目が変貌する為に、余計に偏見を持たれてしまいます。
徳江は半世紀以上、世間から隔離されていました。
普通に働いて、普通に結婚して、普通に老後を送りたかったのに…。
子供を持つことも許されず、施設の敷地から外へ出られずに生きてきました。
現在では、ハンセン病は遺伝性は無く、患者と触れ合っても感染することは無いと分かって
いますが、当時は分からなくて、罹患者はずっと診療施設に隔離されていました。
「店長さん、私ね、一度で良いから、こういう所で働いてみたかったの」と、徳江が千太郎に
話すシーンが切なかったです。
(小説を読んでいたから、内容を知っていたからね。)
キャスティングがイメージ通りでした。
もうね、久しぶりに館内に30人ぐらいの観客がいましたよ。
年齢層が高かったです(推定60才前)。
映画の中で、実際の患者さん達が映ります。
徳江が住んでいる施設を、先太郎とワカナが訪ねるシーンで、園内に居る方々がチラッと映り
ます。
皆80才前後の方たちでした。
偏見や差別に有ってきた人達ですが、皆さん笑顔で談笑されてました。
その笑顔に救いを見ました。
良作でした。
皆さんにお勧めしたい映画です(^o^)丿