Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

「朽ちた手押し車」

ちょっと立て込んでて、またまた二日ほどブログUPを休みました。
火曜日にミニシアターで「朽ちた手押し車」という映画を観て来ました。
 
 
2013年に他界した名優・三國連太郎の主演で1984年に製作され、認知症の老父と末期患者の
老母を抱えた家族の苦悩を描き、高齢化社会尊厳死安楽死といった問題をえぐり出した作品。
昭和57年、新潟県・親不知海岸。
老人特有の痴呆がはじまっていた元漁師の安田源吾(三國連太郎)は、毎夜のように徘徊を繰り
返していた。
息子夫婦(田村高廣長山藍子)はそんな父に加え、不治の病で死を待つだけの母(初井言栄)の
「殺してくれ」という悲痛な声に悩まされ、安らげる時がなかった。
三國の主演作で唯一劇場未公開だった幻の作品で、「お蔵出し映画祭2013」でグランプリを獲得。
製作から30年を経た2014年に劇場公開が実現。(映画.comHPより抜粋)
 
この映画は制作時に配給が決まってなくて、当時は内容がかなり重いと、映画館にも受けいられま
せんでした。
そういうわけで、お蔵入りになっていた作品です。
当時61才だった三國連太郎は、2時間かけて特殊メークをし、80歳ぐらいの老人になってました。
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 ↑認知症が進み、一時間ごとに食事をせがむ源吾にトメは塩むすびを食べさせる
 
認知症が進み、夜徘徊しトイレの位置が分からず廊下でおしっこしたり、一時間ごとに「飯はまだか」
と言い、食べ始めると何杯もご飯をおかわりし、もはや「餓鬼」と化した源吾。
粗相した後を黙って拭き掃除する嫁。
孫娘は中学生で思春期だから、そんな祖父が大嫌いだ。
入院したトメの容態が急変し、最期に会わせてやろうと源吾を病院へ連れて行こうとするが、暴れ
て言うことを聞かないから、仕方なく浴衣の紐で柱に縛りつけて行く。
容態が落ち着いて家に戻ったら、源吾が脱糞して寝ている。
情けないやら悲しいやらで、泣きながら掃除する嫁。
 
観ていて胸が苦しくなりました。
誰も好き好んで認知症になったわけでは無いのですから。
 
難病にかかり苦しむ母、苦痛を訴えている母を安楽死させてやりたいと思う長男。
認知症の夫と自分の世話で、嫁の負担が増えることを考え、無理心中をしようと果物ナイフを掴む
のだが、マヒした身体ではナイフを握る手に力が入らない。
これはどこの家庭にでも起こりうる話なのだ。
三國連太郎の迫真の演技が怖かったです。
この映画、遅ればせながら各地で上映されてます。
今のところDVD化する予定が無いのですが、反響が多くなればDVD化するかも知れません。
 
もし、お住まいの地域で上映が有れば、是非観ていただきたい作品です。