Gena(ジーナ)の飲んだくれ太腕繁盛記

健康であれば大抵のことは気合いと根性で乗り切れる!

「ペコロスの母に会いに行く」

今日、2月に入って初めて映画を観に行って来ました。
 
ポスター画像
 
「喜劇・女は度胸」「男はつらいよ フーテンの寅」などで知られる名匠・森崎東監督が、「ニワトリは
ハダシだ」(2003)以来、10年ぶりに発表した監督作。
62歳で漫画家デビューを果たした、岡野雄一の介護日誌コミック「ペコロスの母に会いに行く」「ペコ
ロスの玉手箱」を原作に、離婚して子連れで故郷の長崎に戻った主人公ゆういちと、85歳になりグ
ループホームで暮らす認知症の母みつえの心温まる日常を描く。
ゆういち役で岩松了が主演、母みつえ役に赤木春恵。そのほかのキャストに加瀬亮竹中直人
原田知世原田貴和子が約20年ぶりに姉妹共演も果たしている(映画.comHPより抜粋)
 
先週の土曜日から、この地のシネコンで、「第87回キネマ旬報ベスト・テン特集上映」が始まりま
した。
一週間ごとに作品が変わり上映されます。
その第一弾が「ペコロス…」でした。
この映画は観たかったのにこの地で上映されず、ガッカリした私は原作のコミックを買って読んで
いたので、大体のストーリーは分かってました。
 
何だかね~切ないですね。
記憶が段々と曖昧になって行くのです。
今理解していたことが、数分後にはスッポリ忘れてしまいます。
何度も何度も説明しないといけません。
…でも、覚えていられないんです。
身内の顔も分からなくなって来ます。
母親のみつえも、息子のゆういちが分からなくなります。
ゆういちは母親に「恐い人が来た」と泣き叫ばれて、ショックを受けます。
何を忘れても、まさか自分の顔を忘れるとは思わなかったのです。
残酷ですよね(>_<)
 
この映画では、認知症に罹った母親の面倒を、息子と孫で見ています。
…と言っても、母親はまだ、自分の身の周りのことは出来ていたから、同居してるだけなんです
が。
症状が重くなり、自分と息子(孫)が仕事に行っている間に、火事を出したらいけないし、徘徊し
て事故に遭ってもいけないから…と自分達の限界を感じ、グループホームに入居させるのでした。
 
去年、介護をしていた妻と長男の嫁に対して、賠償支払いを命じる判決がおりました。
認知症の男性が、家族がわずかに目を離した隙に家を出てしまい、JRの列車にはねられて亡く
なる事故が有りました。
家族の責任として、JRから損害賠償請求されたのでした。
だけどね、24時間ずっと見守り続けるのは無理ですよね。
たとえ家の中に一緒にいても、介護している人は家事もしなければいけないし、トイレにだって
行きます。
電話が掛かってくることも有るでしょう。
そんな中、1~2分の間に外に出てしまうことだって有るハズです。
それをちゃんと見守っていなかったのが原因だ…と判決が下りたのでした。
その額、約720万円ですよ(@_@;)
同じように認知症の家族を在宅介護をしている人達は、この判決に憤りを感じて、ネットでも意
見交換されています。
 
私は映画を見ながら、この判決の話を思い出してしまいました。
誰もが抱えるこの問題を、この映画では「悲しさ」だけでなく「楽しさ」も現わしていました。
冒頭の「オレオレ詐欺」の電話を受けて、話したことを忘れて、受話器を外したままにしている
シーンは笑いました。
「忘却する」ことは、悪いことばかりでは無いのだと思いましたよ^^
 
この映画、いろいろな年齢層の方に観て欲しい映画でした。